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           経営コンサルタント樋口信夫の小売サービス業型の小集団活動の誕生     


 

数人の経営コンサルタントの仲間と協力して、小売サービス業界にQC活動を始めとした小集団活動の導入指導に携わってから、早30年近くになります。(日経流通新聞1983年2月7日一面QC特集記事/紹介)

そのメンバーの中の一人として、特に、スーパーマーケット、専門店、ショッピングセンターへの小集団活動の導入指導を行い、一人ひとりのモチベーションを高め、グループの力で「商品やサービスの品質」或は「仕事の質」及び「人や組織の体質」更には「企業の品格」の向上を合言葉に、販売改革、人事改革、組織改革、財務改革……等々の数々の改革改善に携わって参りました。
 
私は20代の若さにまかせ無謀にも、スズキ自動車創業者、初代社長鈴木道雄氏が経営する小売店舗(当時、家具インテリア、家庭雑貨、住宅関連販売の鈴屋百貨店)で市場調査を依頼され、先輩の経営コンサルタントから指導を頂きながら新しい市場調査に挑戦しました。

暑い夏日が続く8月22日の浜松市。買物アンケート調査を行なうためお店の方で手配していた主婦、学生のアルバイトの調査員10名のところ3名しか当日集まらず、急きょお店の販売員、外商マンの3名が駆り出され6名で家庭訪問による調査と店頭での調査を行ないました。初日の調査が終わった時、『家庭訪問による調査は面白い』という売場の販売員の一言をヒントに、主婦、学生による調査を取り止め、お店の人達が中心となって調査を実施することを思いつき鈴木道雄社長に提案しました。

スズキ自動車でQCサークル活動を行っていた鈴木道雄
社長が、「買物調査に従業員が参加し、お客様のデータを参考にして売場改善を行なう。と言うことは、QCサークル活動みたいですね。小売店のQCですね」と言うアドバイスとも取れる言葉に後押しされ、売場ぐるみ全員参加で調査に取り組みました。お店の販売員、外商マン一人当り1時間程度で家庭訪問による調査が出来る方法を組み立て、無事に調査を終え、その結果、従業員のモチベーションが驚くほど高くなっていることに強く感動を覚えました。お買物アンケート調査の報告検討会は、盛り上がり自分達が実施した調査データに関心を持って、活発な意見、アイディアが出され販売力を強化するための具体的な売場改善、外商強化の方法が立案実行されました。

以来、私は今日に至るまで、お買物アンケート調査、競合店調査等は、お店の小さな巨人達が中心となって実行することにして、私は、「三点攻略法」「変形留置法」等の調査技法を考案して、お店の人達が短時間で精度が高く、調査が楽にできるように調査の進め方の技術を教え、正しく
調査ができるようサポートするように心掛けて参りました。


このお店の従業員が中心となって取り組んだ調査は、自店と競合店に関してお客様の買物の仕方、及び、お客様が日頃お買物で感じている、「品揃え」「品質」「価格」「接客」「買物環境」……等についての満足度と不満の39項目についてチェックして頂くものでした。
ここで成功した理由は3つありました。

1) 売場の販売担当者、外商担当者が買物調査に参加するという、マーケティングに行動科学を持ち込み、推進したため、従業員のモチベーションが高まり、調査結果データに強い関心を持ったこと。又、このお買物アンケート調査票の中に、
「品揃え」「品質」「価格」「接客」「買物環境」……等についての満足度と不満の39項目のチェック、更に、問題と原因が分かるように、いくつかの仕掛けをしていたため、問題解決がスムーズに推進できたこと。(今でいうCS向上運動です)

2) 売場、商品、販売、作業技術等の自店と競合店の売場チェックを後回しにして、先ず、初めにお客様の
お買物アンケート調査をしたこと。(これを逆にすると、従業員の向上心の芽を摘むことになり危険です)

3)
お買物アンケート調査データを活用して、全員の知恵と汗を集めて、お客様のニーズを分類し、キッチンスペース、ライニングスペース、リビングスペースなどライフスペースを演出した売場改善、販売技術の向上と外商力の強化、及び、ムリ、ムダ、ムラの改善を実行したことでした。
 
1977年8月22日。従業員参加による
お買物アンケート調査を足掛りに、先輩の経営コンサルタントから指導を頂きながら、三つの課題に取組み、その結果、「従業員一人ひとりのモチベーションが高まり、グループの力で色々な問題が解決できた」ことでした。これが、私の小集団活動の原点であり、集団活動、集団経営の出発点であります
 
その後、商圏内のお客様ニーズに応える店舗活性化を実現する有効な手法としての、小売サービス業型の小集団活動の技術は、1979年からニックチェーンの加盟店、及び、農林水産省の補助事業の対象店舗に導入。更に、1980年から総合スーパー、食品スーパーで実施。1981年から、農林水産省の流通改善事業の対象店舗(食品専門店、コンビニエンスストア、宅配業等)に導入。1983年から、セルコチェーンの加盟店に導入、および店長研修会、チェッカー研修会に取り入れ、
更に、1985年から、CGCグループの加盟企業に導入、及び、店長研修、トレーナー訓練、チェッカーチーフ研修会の中に取り入れ。1987年からは、日本セルフサービス協会の会員企業に導入、及び、店長学校の研修会の中にも取り入れられるなど、今までに食品スーパー、総合スーパー、ショッピングセンター、専門店等の小売サービス企業300社余りの企業、及び、共同店舗組合、連鎖化組合等30余りの中小企業組合に導入指導を行い、更には、業界団体の組織、指導団体の事務局組織等にも導入指導を行い、現在も引き続きコンサルティングに携っています。

小集団活動は、低成長期、バブル崩壊期、デフレ期と……その時代その時に対処すべく常に進化し続け、この長引く不況の中、店舗活性化、売場改善、人事組織改革、、経営再生の有効な手法の一つとして、今なお期待され推進されています。


 
鞄本教育訓練センター                                                           経営コンサルタント
樋 口 信 夫